FLYING STYRO KIT
メッサーシュミットBf109G 再生作業


思いつき 2016/11
今までのRCライフで稼働率の高かった3機の内2.4GHz化の作業が残った1機 Bf109Gでアリマス
私のラインナップ中で唯一の実機が液冷エンジン搭載のスマートなモデル。機首が長いからなのか細身だからなのか手投げがなかなか上手く行かず非常に苦手意識を持った機体でした。
1機目は破損に次ぐ破損で2カ月と短命。これは2機目で2007年12月デビューから何とか持ち長らえておりますが、それでも序盤からちょいちょいやらかしておりますので結構痛んでおります。
記念の初FLTでこのありさま!
当時この状況からよく諦めずに元に戻したもんだと思う。

作製計画 2017/02/05  
FLTに耐えうる剛性を復活させること。
外観をできうる限り綺麗に修復すること。
再塗装の必要性がある事からこの際、大きくイメージを変える塗装を施す。

状態・解体 2017/02/05

状態を改めて眺めてみると・・・ボロボロ
コックピット側面の修正箇所はヒビがそのまま残っております。
一番の脆弱ポイント
ヒビの集中個所!押えるとフニャフニャで剛性感は無きに等しい。
いつからこうなっていたのか?
知らずにFLTさせていたら怖いとこです。
右主翼は修正痕が残っています。
画像ではわかりにくいのですが実際はかなり目立ちます。
ココも何回かポッキリいった個所。
当時の修理状況は我ながらひどい・・・とりあえず形を戻すための処置内容でボロボロに汚い。
補強に貼ってあったバルサ板がエポキシの劣化で剥がれてしまっています。
液冷モデルゆえにとってもスマート
組み立ててしまうとなかなか指が入らずメンテがあれば大変な機体だったので修理に際しては切開が必要かな!
まず手始めにパイロットや操縦席のパーツを一旦撤去しました。
これらはそのまま使用します。
受信機はコックピット後方の指がほぼ届かない個所に両面テープでペッタリ。
このままでは取り外せません。
ダメ元!かなりヤレているので再生作業がどこまで行けるかわかりません。
やれるだけやります。
手が入るようコックピット後方をカットしました。
受信機、ESC、補強に使用していたバルサやカーボン板を撤去しました。

剛性復帰 2017/02/11〜18
Bf109Gは胴体が細く手が入りにくい・・・手が入らない。
やはり切開です。
最もグズグズ状態の機首部左側面をモールドに合わせて切り取り・・・
果たして元に戻せるだろうか・・・?
取り外した側面。
剛性はまったく感じられず・・・やわでちぎれて四散しそう。
裏面はこのようになっています。
目立つヒビ、抉れた個所、スチレン自体がペラペラになっています。
ベースレジンGM-1508
今回はこちらの補強材を使用してみます。
従来のエポキシ系は空気に触れる面が多いと劣化して喰いつきが落ちてしまう・・・他に何か使えるものはないかとネットで探してコレに行きつきました。
これもエポキシ系ですが発泡素材に浸透密着し風化にも強くしかも軽量なようです。
ってネットの情報だけでは正直どこまでがホントかはわからないのでとりあえず使用してみます。
主剤100:硬化剤40 で配合。
小数点まで軽量できる秤の方が正確にできそうです。
2分程撹拌。
事前テストでは本気でしっかり分量計測にしっかり撹拌しないと硬化しませんでした。
グズグズ脆い左側面に塗布しました。
通常のエポキシよりも硬化時間はかかるようです。
カップの中では10分後くらいから硬化が始まりましたが機体に塗布した場合、塗布厚が薄いと硬化時間は長くなるようです。ちなみに4時間くらいかかっていたように思います。
右側面は左側に比べてしっかりしていますが後ろから光が当たるとヒビが確認できます。
ベースレジンGM-1508を機首から操縦席後方まで筆で塗りつけました。
透明なので画像ではほぼ見えませんねぇ。
ベースレジン硬化後、この状態であればいくらでも指が入るので機器を搭載しておきました。
受信機とエレベーターサーボはスペースの都合上、操縦席後方にしか積めません。
次にまた調整があった時はまた切開が必要・・・いや・・・次はないだろう。
取り外してあった左側面を接着しなおしました。
硬化してから確認すると処置個所の剛性は復活しました。

テールギア 2017/02/18
この尾輪はディスプレイ用のモナカ構造です。
胴体着陸仕様なのでこのままでもよいかと思ったのですが割れかかっているので交換します。
テールギアを切除。
昔、大量投入したエポキシがこういう時は剥がれず・・・仕方ないので周囲ごと切除しました。
スチレンと何かの時に使おうと購入していた尾輪。今がその何かの時!ってことですね。
タイヤ径が同じ25mmなのでちょうどよかった。
スチレンブロックは胴体下部でバルサ板はテールギアの固定の役割を担います。
スチレンブロックの上にバルサ板を接着しました。
テールギアの個所に合わせて目安のラインを入れます。
ラインに合わせて余分な大まかにカットし胴体に馴染むよう削りました。
スチレンに直にテールギアがあたると凹んでしまうので車軸があたる箇所にワッシャーを接着。
上部は水道ホース用のOリングを挟みキャップを締めて固定。
ある程度の力が入ると首を振ります。
テールギア完成。
テールギアを仮止め。
今までのディスプレイ用に比べると遥かに良い感じ。

表面修復 2017/02/18〜26
過去の修理でとりあえず固めるために盛ってあったエポキシをリューターで削除しました。
下面部のエポキシも削除、左側バルジは抉れがひどかったので後で再生します。
ふわーりかるい かみねんど
パッケージが愛らしい♪
ペットボトル等の廃材からこしらえた製品で繊維質がありません。
名前の通りとても軽量で手にもつかず、それでいて事前試験においてスチレンにくいつきます。
今回、凹んだ箇所の埋め込みに使用してみました。
主翼前縁の歴戦?の傷跡を補修。
ひび割れている隙間に水分をつけ柔らかくして埋め込み。
下面の抉った箇所にも埋め込み。
尾翼部分にも埋め込み

乾燥時間は事前試験で二日ほど放置しておけば良い感じ・・・。
1mmバルサと0.5mm厚カーボン
アンテナ支柱の材料です。サンドイッチに貼り合わせた後に形にします。
余分なスチレンで土台を作り固定。
胴体にアンテナと共に接着しなおしました。
操縦席後部を元の位置に接着しなおし隙間に紙ねんどを埋め込みました。
テールギアを接着し後部形状に合わせて成型。
乾燥した紙ねんどを形状に合わせて研磨しました。
乾燥した紙ねんどを研磨した後にコレを使います。
何に使ったか覚えていませんがそれなりに減ってます。
紙ねんどでは入りきらない凹みや傷に塗布しまた二日程寝かせます。
二日後・・・木工パテが乾燥したところで再び研磨です。
尾翼まわりも研磨しついでにアンテナを付けるフックを追加しました。
下面を研磨の後、抉れてなくなっていた片方のバルジをエポパテで再現しました。

メインギア 2017/02/26
本来Bf109のメインギアはタイヤが半分見えているのですが・・・カバーしたまま・・・。
はて?当時なんでこんな処理で終わらせたんだろう・・・思い出せない。
とりあえず開けてみました!
スパーが通っております!そか、組み立ての際にコレがあったからそのままで行こうと思ったんだな・・・。何せ10年近く前なんでサッパリです。
Bf109のタイヤはなかったかと・・・?在庫をガサコソ探しましたが見つからず。
代わりにコレが8つ程ありました。
FSK零戦のタイヤと思われます。
デザインが違いますがとりあえずコレでいいか。
FSK Bf109G 正規パーツ 主脚カバー
こちらの方はBf109Gの物が残っておりました。
タイヤが収まるよう周囲をカットし下地を塗装しました。
タイヤを取り付けました。
違う機体のものですが良い感じに収まってくれました。
主脚カバーを接着しメインギア作業完了です。
うむうむ、雰囲気が増せば充分です。

再塗装・再マーキング 2017/02/26〜03/07
パテが乾燥しきったところでサンドペーパーでなでなで♪
できるだけ平滑に!美しく!
FlLYING STYRO KIT
Messerschmitt Bf109G Hartmann

過去にリトルベランカで販売していたBf109Gのラインナップの一つ。
現在、再生作業をしているBf109Gは購入2機目です。
2機目購入の際、1機目はRita2だったので趣きを変えてこのハルトマン機を発注していました・・・が、店の手違いで同じRita2が我が家にきました。当時はまぁいいか!って事でそのままFLTしてきました。
今回はこのハルトマン機に塗装していきたいと思います。
タミヤ SURFACE PRIMER
あまりこういう発泡機に使う物ではないのでしょうが元の色を消すのと多少の傷かくしになるのでは?と思いました。
事前に素材との相性テストはして溶かす事はないとわかっているものの実際に使用となると躊躇します。
吹きつけてみました。
完全な傷かくしするには3缶ほど消費しそう・・・本来は模型用なのでモノが大きすぎるようです。
とりあえず元の色は隠れたので1回吹きつけにとどめました。
タミヤ AS-5 ライトブルー
ドイツ機の基本色のひとつだそうです。RLM76に相当するようです。
主翼上面を除いた全面に吹き付けました。
TAMIYA BADGER350 AirBrush
今まで使用していたエアブラシ。
私程度の使用量では別にこれでもよいのでしょうが下手ゆえに段取りに手間取りエアー缶の中身が無駄に減ってしまい長く使えません。
特に下の瓶から塗料を吸い上げる方式なので作業開始まで出足が悪く無駄にエアーを消費してしまう。
あと、塗料瓶はスプレーガンに指しているだけなので作業中たまに抜け落ちて部屋を転がるといった悲劇がありました。
スーパーマックスエアブラシSX3.0D
そこで今回コレを導入してみました。
これだと上のカップに塗料を入れるので重力的にも自然に塗料の出足が良いし、抜け落ちて転がる悲劇もないはず!
コンプレッサー導入までの軍資金はないので力の源は相変わらずエアー缶です。
2個体制で使用中に冷たくなり吹き出し力が弱まった場合は切り替えます。
少々、煩雑ですが仕方ありません。
まぁ、良いところはコンプレッサーよりは断然静かなので夜中作業でも家族からクレームが来ないって事でしょうか!
タミヤ製ではぴったりの色がないためRLM75グレーバイオレットとRLM74グレーグリーンを調色しエアブラシで塗装してみました。
基本迷彩の塗り分けまでは何とか満足できたものの・・・
モットリング・・・今までのスプレーガンでのボタンは操作はエア量の調整だけの1アクション、今回は押してエアー量、引いて塗料の量調整の2アクションのため慣れるまで難しい。
いくつかモットリングを施している内に勢いあまって塗料が増えて一部濃い目に・・・それを隠すために全体を濃い目に・・・またやらかしてしまいそれをごまかすために更に濃い目に・・・。
結果、盛り過ぎとなってしまいました。
機首オイル冷却口と翼端下面をRLM04イエローに塗装。
RLM04イエローと言ってますが単にタミヤのX-8レモンイエローとXF-3フラットイエローを混ぜただけです。
ハルトマン機の特徴的な塗装。
花弁7枚をマスキングしながら塗装。
機首回りを均等に塗り分けるのはなかなか苦労しました。
この時点でグニャグニャしてます・・・果たして仕上がりは?
マスキングを外して比較的キレイにまとまったので安心。
転写シールを迷彩上に貼る場合、透過率や色調再現を考えた場合に白ベース・透明ベースともに難があるので今回の歩行可能ラインは塗装で再現します。
今回はじめてタミヤの曲面マスキングテープを使用しました。
画像の白いテープです。通常のマスキングテープよりしっかり表面に食いつきます。
白を塗装した後、赤を塗装。
それでもマスキングが重なった個所には余計な塗料がしみ出てしまいます。
若干はみ出た白や赤をレタッチで消しました。
主翼上面の国籍表記もデザイン上、転写シールでは難しいので塗装します。
マスキングを外して国籍マークの塗装完了。
久しぶりのFSKスピナー。
当時は大量消費をしたものです。
スピナー中心のモーターカノン再現のため裏からエポマイクロバルーンを塗布しました。
まずモーターカノンの再現です。
スピナー先端を丸く削り若干穴を開けました。

次に先ほどの曲面マスキングテープを利用しグルグルのためマスキングです。
渦巻きのバランスを見ながら何回もマスキングをやりなおしました。
我ながらなかなか良い感じになったと思います。
グルグルスピナー装着。
ストックがあと一個なので壊せないですね。
コックピットパーツおよびパイロットを組み付けしました。
毎度の作業です。ロゴマークや注意書き等、プリンターで出力し貼り付けるだけで再現できるなんて便利な時代になったとつくづく感じます。
25年程前にF-1のラジコンをやっていた頃にコレがあったらMarlboroやCAMELのステッカーを大量生産しただろうな〜。
主翼下面、胴体後方に国籍マーク。
尾翼には燦然と輝くハーケンクロイツ!
大戦機に行うこれらの作業は魂を入れる儀式、ビシっと身が引き締まります。
機体のモールドに沿ってエナメル塗料のフラットブラックとフラットブラウンを溶剤で薄め筆塗りし、溶剤を含んだティッシュで拭きとりです。
エアブラシでのウェザリングは排気煙の再現のみにしました。
このサイズだと下面に施した場合少し大げさかなと・・・ホントは腕前がついてこないからです。

ロールアウト 2017/03/07 
今回の塗装はプラモデルを強く意識してみたのですがなかなか難しく疲れました。
いつもの日本機と比べてドイツ機の迷彩はかなり気を使いますね。
色味の知識からして足りてなかったのでかなり資料を読み漁りました。
Erich Hartmann

ブービ、ブロンドの騎士、そしてソ連軍からは黒い悪魔と呼ばれた352機を撃墜したエースパイロット!
私はいつもFLTさせる際は搭乗員(パイロット)に自分を投影しています。
まぁ、自分なりに搭乗員になった気分まで気持ちを高めて没入しようと思っています。零戦ではとくにその傾向があり所属番号はとくに搭乗員が特定できない無名戦士仕様にしています。
ただ始めた頃から色々な資料や動画で当時の世界観や人物などを知る度に無名戦士は存在しないんだなっと思いました。それからはいくつかの有名パイロット仕様も手をだしたわけですがやはりプレッシャーは増しますね。
趣味の世界だから何も難しく考えず気楽に好きな仕様でいいじゃないかとも思うのですが、このこだわりは自分なりにあの時代に生きた人々への敬意だと思っております。
まぁ・・・かなりおこがましい気もするのですが・・・。
エーリヒ・ハルトマンになれるかな?
「スピナーが額、翼端が指先」そこまで投影できるよう、そうなりたいもんです。

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