思ひ出 二

ちょっとマイクロに・・・
タイヨー零戦で心に火が入りつつあった頃、TOSと一緒に見たHPでマイクロ零戦なるタイヨー零戦と同じようなサイズのモデルがある事を知る。当時の私はあまりサイズが大きくなるのはイヤだったように思う。なので「おぉ、小さくて良いしかも零戦の中でも輝いていた頃の21型!」・・・数日後には手に入れていた。「コアレスモーター?また初耳」「おぉ、ニッケル水素なる電池もタイヨー零戦よりも大きく本格派」っと勝手に感心しつつ作製。
ある休日にTOSと共に近くの空き地で初飛行。少々風はあったが当時は何もわからず「えい」と手投げ発進、風にあおられ迷走しながら地面にポタリ。モーターのシャフトがグニャリ 現地でスペアに交換して再度手投げ発進・・・再び風に煽られ迷走し今度は植木にグッサリで胴体断裂・・・終了
このあと二機目を購入し同じ運命となりました。この同じ時にTOSは京商のパイパーカブをとにかく飛んでいるって状況にはしていました。私の機体もTOSの機体も無事にはすまなかったがとにかくTOSのカブは飛んだ。「コレは大きさが起因なのか?」
「マイクロ零は200g弱しかないから風に弱い、やはりある程度は大きさと質量が必要なのか!」と当時は考えた。
操作技量や重量バランス、単発機のクセ、心構え、気象条件なんてものはこの時は全然知らなかったし気にもしてませんでした。これらの事はだいぶ後になって理解する事になる。今なら飛ばせるかな?

零戦にこだわる
零戦、零式艦上戦闘機は日本の名戦闘機として多くの方がご存知だしその詳細については様々な書籍やサイトで紹介されているから私ごとき薄識の者が云々言う事はありません。・・・がしかし思い入れは自由です。零戦のイメージも人によって様々だと思います。「破竹の勢いで進軍、当時最強!」「格闘戦になれば負けなし!」もあれば「特攻機の代名詞、悲運の機体」「最終的に連合軍機の相手ではなかった!」もあると思う。戦闘機はその時の戦術、戦況、用兵側の意図がマッチしなければ正しく機能できないもの。開戦当初の21型は戦術も戦況も用兵側の意図も時代に合っていた。一方、中盤からの52型は戦術も戦況も用兵側の意図、全てが合わなくなっていた。開戦当初と戦争が進んでいく間で零戦をとりまく状況は変わっていたから機能を発揮する程度も変わる。有事における戦闘機の寿命はせいぜい3年、本来なら52型が出る時にはもう次期戦闘機に変わっていかなければならない。日本海軍は物理的な制約もあったとは言え戦闘機に対する思想も状況に対処できず次期戦闘機の開発ができなかったから零戦は5年と長きにわたる活躍をせざるをえなかった。この長すぎる活躍の期間が見る人のポイントによってイメージが「無敵の機体」「悲運の機体」となるのかと思う。
私は21型と52型に思い入れがあります。21型はやはり「当時最強!」ってこと。単純でわかりやすい。では52型は・・・?
52型は人によっては特攻や敗戦のイメージがあるのでしょうが私にとっては「苦しい戦況でも活躍した機体」なのです。苦しくなる状況の中、新鋭戦闘機は未だ完成せず頼れるのは零戦のみ!「あるもので頑張るしかないだろう!」「格闘戦に持ち込めば負けはしない!」「むざむざ負けてなるものか!」と闘志を胸に秘めた搭乗員も存在したはず。実際に終戦まで扱うべき人が扱えば無類の力を発揮したのも事実!なのだから私はそこに思いをよせるのです。52型はそんなイメージで見てます。
特攻に関しては後の時代の人が口を挟む話ではないと思う。その時その場にいた人間にしかわからないもの。以上、私の勝手な思い入れです。
さて、RC飛行機を始めるならば最初は高翼練習機であって低翼のスケール機なんてもってのほかとはよく言われましたがとにかく零戦、大戦機と行ったスケール機にこだわります。零戦を飛ばしたいから始めたんだし回り道はイヤだ。思い入れのない機体なんて自分にとって飛ばす意味ががないって感情が強すぎてかなり遠回りしてました。遠回りとは後で思い返してみて理解できる事であって当時はこのまま突き進みます。

いよいよ本格的に
ある日、仕事で使う材料を買いに何気にある町の模型屋さん入った時にそれはありました。GWS零戦です。
以前のマイクロ零戦の小さな事、軽すぎた事に手を焼いた私はスパン80cmくらいがサイズや重量的にちょうどいいのかな?と思っておりました。そこにタイミング良く(悪く?)お目にかかったものですからコイツこそはやってくれると思い込みます。とりあえずその場は本来の目的である材料を買って仕事に戻ったわけですが。あとはもうGWS零戦を購入し飛行させるプランや夢が頭の中をグルグルして仕事から心が離れていきます。そして・・・その日、仕事が終わってから一目散に模型屋さんへ・・・家に箱を持ち帰る、いつものパターンです。さて、箱をあけてみますと市場で鮮魚が入っている箱かしら?と見まがう発砲スチロールが何となく零戦の形しています。「当時はそんなもんなんだな!ココまで手軽なスケール機はないから充分充分〜」と思い満足げに製作。
ついでにマイクロ零戦の時よりも更に容量の大きいニッケル水素バッテリーも同時購入してたので「だんだん投資した額もシャレにならないが本格的になってきた〜」と引き込みがつかなくなる世界にはいりつつありました。さて、GWS零は完成しTOSと共に空き地へGo! TOSはこの時は京商のカブを持ってきてて最後は墜落してしまったがそれなりの滞空時間と操作感を勝ち取りました。おぉ〜凄い、おめでと〜感動感動〜! では次はワタクシの番・・・ありきたりだが期待と夢を乗せて「えいっ」と投げあとは零戦は機首を上に向けて一回転してそのまま地面にグサリ・・・「あれ?こんなにも投資したのに見合った進歩がない!!」気をとりなおしもう一度・・・まるでデジャブーのように零戦は同じ軌道を描き地面にディープキス・・・モーターマウントが壊れてこの日は終了です。「なぜだ?なぜまったく飛ばせない」この後は家に帰る道中この件でずっと上の空。当時PCは持ってなかったのでとにかく本屋へ行き立ち読み研究。研究する事約二週間・・・結果、今では非常にばかばかしく当たり前のお話ではありますが重心に問題がありだと理解する。零戦は機種が短いのでなおさらシビアって事もようやく理解。「なるほど!だからスケール機は難しいのか!」だから初めは高翼練習機なんだって幻聴が聞こえてきそう。GWS零を重心位置に気をつけて修理し再び空き地へいざ手投げをすると案外簡単に水平飛行(滞空維持に近い)でまっすぐに飛んでいった。曲がるためにエルロンをきる・・・コテンと落ちた。でもこの時は少しまともに進歩できたのが嬉しかったですね。まぁ、よくよく考えてみたらタイヨー零戦の時を何も変わってはいない状況なんですけど。この日数回の滞空飛行を繰り返し最後の墜落にてコンクリートの側溝に激突大破となりました。
そして例のごとく二機目を購入。相変わらず水平滞空の繰り返し。 一方その頃TOSはと申しますと「う〜む、普通に飛ばせるもんだなー」と言いたいくらいにGWSビーバーやGWSステアマンを多少難ありとも飛行しスキルをどんどん自分のものにしていってました。かなり差が開き始めました。

いただき物
ある日、相変わらずTOSが飛行を楽しみ、私が修理を楽しんでいた時に「ビーバーはもういらないからあげる。」という申し渡しがあり私はありがたく頂戴いたしました。さて毎度のごとくGWS零戦は空き地に到着後まもなく飛行困難な状態に・・・要修理で働けないのでメカを移植し「ビーバーいざ飛行!」離陸滑走しエレベーターアップ〜〜〜。で普通に飛んだTOSがバランス取ってあったのもあると思うが普通に離陸し上昇し何回か旋回し降りてきた。感想はコレだけ・・・ いや、とりあえず初飛行と言えるくらいの事ができたのだから感動すべきなんだろうな〜。ただね〜高翼練習機を飛ばしても今さら何の感動も思い入れもありゃしない。やはり零戦が飛ばないと意味がないし面白くない相変わらずに固まる。水平飛行はもうわかった。飛行機はもっと縦に動くもんだとまた身の程知らずのまま次に続く・・・

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