ALFA MODEL
MiG-15 機首修理


事故調査報告書 2017/12/03
手投げ後に姿勢を崩したものの全く対処できずにそのまま頭より落下・・・茫然として墜落時の記録画像を残すのも忘れてしまいました。
あまりにふがいない結果で期待していただいた方々に誠に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
墜落の原因は大前提として技量不足に行きつくわけですがあれから時間が経って当該の事を思い起こしていくと・・・
撤収時間が近づきやや気持ちに焦りが出て注意力低下、向かい風と思いこんでいましたが墜落後よく吹き流しを見れば実際は追い風でした。その中で手投げ・・・揚力を掴めず・・・機速が乗らず姿勢崩す・・・あまりに早く感じた姿勢変化に指以前に頭が反応せず・・・結果、墜落です。
とにかく、このまま終わるわけにはまいりません!
幸い、機首以外の主翼や胴体後部はノーダメージで機首さえ修復できれば続けられます。ただ、大戦機とは違いEDF用の吸気口の修復がありますのでそこら辺がうまくできるかどうか・・・とにかくできるだけ元通りに綺麗に戻したいと思います。

吸気口 2017/12/04〜05
大戦機であれば機体外皮とモーターベースの修復となるわけですがアルファMiGはEDFへの吸気口が別にあります。
この適度に曲がった筒状の吸気口はどのようにしたらいいのか?
とりあえず前部の崩れてしまった箇所をカットしました。
はじめに幾度か使用している1mm厚のスチレンペーパーに熱をかけながら筒状にしてみようと試してみましたがこのレベルのRを持った形状にはできずカクカクしたものになってしまいました。
次に試したもの。
いつか何かに使えるかと思って購入してあった2mm厚のソフトボードというものです。
ホームセンターの画材屋で売っていました。
やわらかいスチレンと言っていいのかな?若干しっとりした質感です。
ソフトなのでトンネル形状にするには問題ない。
ただし瞬間接着剤は効かない、セメダインはまずまず、エポキシは効く!
塗装はなじまないので不可・・・用途は限定的ですね。
とりあえず素材は決まったので長さ含めてどれくらい必要かサイズを合わせた実機図面と比較。
この時点でははっきりした基準がわからなかったので主翼前縁を合わせて採寸しました。
とりあえずの採寸で長さを決め円周をあわせた状態で使用する分をカットしました。
片方にアルミテープをはり接合面にエポキシを塗布しました。
筒状にした状態で内側にもアルミテープを貼りました。
カットした箇所から若干持ちあがった取り付けとなるため接合部を斜めにカットします。
本来は緩いRで持ち上げたいのですがそこまでの柔軟性はありません。
接合部にエポキシを塗布し接着します。
位置合わせが手間取るかも?と思い30分硬化を使用しましたが思いのほか早くフィッティングできました。
完全硬化するまで放置中。
FSK Bf109Gの時にも使用した高性能ベースレジン GM-1508です。
吸気での圧力変化でソフトボードで作製したこの吸気口がたわむ事はないと思うのですが念のため全体に塗布し固めておこうと思います。
主剤100:硬化剤40の割合で調合し鬼のように撹拌!
しっかり計測、しっかり混ぜないと効果を発揮しません。
吸気口の内側外側に混ぜ合わせたベースレジンを筆塗り。
半日放置してしっかり硬化しました。
これにて吸気口の作業は終了です。

機首外皮修復 2017/12/09〜14
2mm厚のスチレンボードを長さ170mm 幅15mm にしていくつか切りだしました。
先ほど作ったスチレンの板を操縦席前あたりから機首に向けて瞬間接着剤で貼り付けていきます。
表側から見るとこのようになります。
左側面の貼り付け完了。
こちらはまだダメージが軽い方です。
問題は右側面。
操縦席前部が座屈しちぎれてしまいました。
とりあえずちぎれていた右操縦席前を再生して使う事にしました。
座屈で縮んだ箇所を何とか伸ばして隙間が残る状態でもそのまま本体に接着。

左側と同じようにスチレンの板を接着していきました。

スチレン板で作製した機首部と本体に段差がありますので更に上に貼り付けていきます。

今度は横方向でR形状に貼っていくため。丸棒でクセをつけてみました。
多少マシになれば良い程度です。

適度にカットしながら貼り付けていきます。
追加のスチレンが貼り終わりました。
この時点でスチレン上面と本体表面にはまだ若干の段差を残してあります。
その若干の段差にこれを塗布します。
セメダイン エポキシパテ木部用。
粘土状で2種混合タイプ。比較的軽く硬化も早く、硬化後の後加工も楽なので結構重宝しています。
エポキシパテ木部用を塗りつけました。
そのままでは塗りつけにくいのである程度水分を足しながら塗りつけていくと作業がはかどります。
左側の傷の深い隙間にも押し込んでいきます。

さて、ここでふと思う・・・何やらちょっとに機首が長い?・・・ちょっとの範囲か?
当初、実機図面と重ねて採寸した際は主翼前縁で合わせたのですが・・・参考資料として撮影してあった機体のサイドビューと実機を合わせると随分と違いがあった事が判明!
アルファモデルのMiG-15の主翼取り付け位置はかなり前にずらしてあるようです。ラジコン模型としてのディフォルメが施してあったんですね!
機体前後長、それとキャノピーを基準にあわせた場合この画像のようになりました。
長過ぎた部分にマスキングテープを巻きました。
目安のマスキングに合わせて機首部分をカットします。
さて、作業は元に戻って硬化したエポキシパテ木部用を整えます。
表面の膨らんだ箇所をカッターで削いでからサンディングしました。
この時点でまだ目立つ傷、細かな傷と色々と目につきます。
チューブタイプの水性 木工補修パテを水で溶きながら塗りつけました。
これでいくらかでも目立つ傷が減ってくれたなら!
反対側も同じように作業を進めております。
木工補修パテが硬化した後にサンディングしました。
完全とは言えませんがやる前に比べれば満足な方に近づいたと思います。

塗装 2017/12/15〜16
次はジュラルミン調にシルバー塗装です
このまま塗装した場合、元のボディのスチレン地とパテの表面上では色調や質感が変わってしまうためサーフェーサーを軽く塗布しました。
スチレンとサーフェーサーの間でも色調や質感に違いはありますが遥かにマシな仕上がりになります。
サーフェーサー乾燥後にサンドペーパーで慣らしをしました。
機首部分のみタミヤAS-12 シルバーメタリックを吹きつけました。

シルバーの塗装に関して機体後部の元の色と合うかどうか不安でしたが思いのほかピッタリと合っていてココはうまくいった感じ!
もし違っていた場合は全塗装になるし・・・そうなった場合マーキングもやり直しと大変ですからね!
機首のフロントカウル。
残ったスチレンを丁寧にむしり取りました。
若干の割れはありますが裏からグラステープを貼り使用に耐えられそうなのでこのまま使用します。
フロントカウルを元の位置にに接着しました。
見た目は元に戻ったような気がしますが・・・吸気効率はどうなっただろうか?
ナンバーの貼ってあった箇所が空欄に!
まじまじと確認するとまだ一部キズが見えてしまいますが・・・これ以上の表面加工はヒジョ〜〜〜にキビシィ!
なので傷かくしを兼ねて毎度の水転写シールでナンバーも再現する事に!
先ほどの撮影してあった機体側面の画像からトレースし何とか同じようになったと思います。
今回の修理で40g増量となってしまいました。
これがFLTにどのような影響するでしょうか?・・・まぁ影響も何も空に上げられなければ始りません。
前回の反省を踏まえ、できるだけ早く再挑戦したいと思います。

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