HYPERION
HAYATE 25e 作製記 肆

胴体作製 2024/06/23~08/11
  操縦席・小物作成 2024/08/11
大日本帝国陸軍 操縦者を養成中

以前、搭乗員量産計画で作ってあった型にウレタンキャストを流し込み。

ハ45作製時に同時に行なっておりました。こちらはウレタンキャストの使用量が多いのでじっくり放置です。
しっかり硬化しています。
これのおかげで操縦者の養成は楽になりました。
操縦席前部、計器盤が納まるであろう箇所にそれっぽい造形。

操縦者を置いてバランスを見ています。
三式射爆照準器

バルサの端材でそれっぽく・・・小さいので細かい部分の粗は大目に見る事に!
主翼上面

1,100mmと1,400mmではかなり見た目から来る圧が違いますね。
いやぁ、大きい大きい♪
相変わらず警告の赤いラインが太い。
照準器を塗装して操縦席に搭載。
ここら辺は本塗装前に風防を接着する予定なのであらかじめ塗装しておきます。
付属の計器盤ステッカーを試しに置いてみましたが違和感しか感じないので使用しません。

操縦席内部を作り込めればよかったのですが今回は蝶型フラップと尾輪引き込みで重量を使ってしまった。
肉厚3.5mmプラパイプを使用して機関砲を作製していきます。
陸軍のホ5 二式二十粍固定機関砲は零戦の二十粍機銃のような単純なラッパ型ではないので形を見ながら削っていきました。
主翼に二十粍固定機関砲を接着しました。零戦五二型に比べると銃身の飛び出し量は少ないですね。
蝶型フラップレール保護カバーをバルサの端材でそれっぽく成形、後方の尖った部分は木製だったらしい。
フラップレール部上面に接着しました。
主翼下面にあるもの。
燃料冷却器だそうです。
これもあった方が良さそうなのでバルサ端材でそれっぽく。
取り入れ口は蜂の巣状になっているのですがあいにく適当なものがなく網戸補修パッチでそれっぽく。
前部を0.3mmアルミで巻きました。主翼への取付架をバルサで成形しました。
右主翼下面に接着。

塗装 2024/08/12
風防を不注意で落としてしまい経年劣化で脆くなっていた箇所が欠けてしまいました。

わずかな部分ですみましたがとりあえずポリエステル パテで修復しました。
後部の窓枠が一本足りないのでアルミテープで成形しました。

このあとにガラス面をマスキングし胴体に接着しました。
下面塗装

主翼のアルミテープ面にはミッチャクロンを吹き付け塗装の食いつきをよくしておき、ここは特に何の疑問も無くタミヤ エアモデルスプレー AS-18 明灰緑色(日本陸軍)を全面に吹きかけました。
サンプル
黄緑七号色

さて下面はともかく上面の色が難しい。疾風の作例を見るとまず無塗装ジュラルミンと塗装アリで別れ、その塗装アリの場合に上面色が複数あります。

よく模型化されている第47戦隊 45号機ですがこの一機でも一般的な濃緑色や黄緑、黄土色、カーキ、オリーブドラブと様々・・・いったいどれが正解?

とりあえず日本陸軍では昭和19年の8~9月頃から以降に生産された航空機の上面は黄緑七号色に塗装し引き渡す!となったそうです。
その黄緑七号色なるものの解釈が色々な資料や主観によって人それぞれ思うような色調になっているようです。

現存する実機の塗膜片にしろ当時の色見本にしろ経年変化があるだろうし当時実物に携わっていた方々の記憶も変化するだろうし現在では知るすべがない・・・正解は想像で補完するしかなく一人一人の心にあるものだと思います。
サンプル

そんなわけで私なりに色々な資料を見たり調べておおまかなイメージでコレくらいではないか!と落ち着きました。

左がタミヤ AS-17 濃緑色(日本陸軍)です。以前アルファモデル 疾風はこれで塗装していました。
右がAS-17 濃緑色の上にAS-6 オリーブドラブを軽く吹いたものです。色々と試した中でこの組み合わせが一番私が持つイメージに近かったのでコレに決めました。
上面塗装

決まったところでAS-17 濃緑色で上面を塗装してからAS-6 オリーブドラブを下色が生きるよう吹き付けました。
本土防空隊 白帯

疾風に本土防空隊の白帯の組み合わせって良いですね!

白帯はまずタミヤ TS-101 ベースホワイトを吹き、乾燥したところでTS-27 マットホワイトを吹きました。

通常アルミ地肌ホワイト等の明るい色を吹きかけてもなかなか下地色が消えないのですがコレは一発で効きました。
魂の封入、日の丸です!

キット付属の日の丸のステッカーを配置してみたところ小さい。

また、胴体には日の丸が塗装されているのですが・・・これはサイズ感はほぼあっているのに残念ながら位置が高い。
せっかくある日の丸ですが位置が違えば意味がないので消去です。
主翼の日の丸

赤のカッティングシートを貼りました。
補助翼にまでかかるこのサイズ!白い四角の中央にある感じがスッキリします。
胴体の日の丸は塗装してあったものよりわずかに大きいサイズ、
正面にして見るとやや下の方に位置します。
プロペラはFMSムスタング用 4ブレードです。

全体はタミヤ AS-17 濃緑色で塗装し、黄色ラインを加えました。
塗装完了となりました。

仕上げ 2024/08/13~14
これから仕上げ作業にはいります。
ジャイロの搭載

できるだけ重心に近い位置で調整が可能な箇所を模索してここに設置しました。
気化器空気取り入れ口

奥まってあまり見えない箇所ですが実機が編み目になっていたので網戸補修パッチで施しました。
潤滑油冷却口

見たまんまの筒抜け状態、ここはESCの冷却もあるので塞ぐわけにもいかない。
ではフライングスタイロ零戦での機銃作製を応用してみよう。
網戸補修パッチを内側に貼り付けました。
疾風は主翼下面にもライトがあるので接着しました。これはダミーなので点灯しません。

尾灯でのライト設置方法を先に思いついていればあるいは両方点灯できたのでは・・・でも、主翼は厚みがあるから無理かな
いつものピトー管です。
収縮チューブを熱で縮ませてその先に余分なリンケージパイプを刺したモノです。
これも私の定番、アンテナ支柱は0.5mmカーボンを中心に両面にバルサ板を貼り合わせて成形です。
以前、バルサで仮に作ってあったものから本仕様に変更します。
本仕様はウレタンキャストで作ります。

ブレードが納まる切り欠きにマスキングテープを貼りウレタンキャストを流し込みました。
スピナーから取り外しました。何となく茹で卵みたい。
必要な中間部分だけにカットしプロペラ軸穴を加工、カーボンを接着し強度アップ。
最後に回転バランスを取ってできあがり。
とりあえずこの状態でフル回転!

特に異常な振動も無く回ってくれました。
スピナー装着!

この状態で改めてフル回転!問題なしです。
マーキングの追加

ハセガワ 1/32 中島 Ki84 四式戦闘機 疾風 に付属していたデカールをスキャン拡大し大きさを合わせドローソフトでマーキングシールを作りました。

翼面上のノルナと黄色のメンテハッチ、フラップにあるノルナ、あとは胴体側面の軍事機密があります。
帝國陸軍 飛行第47戦隊

キット付属は黄色に白のラインでしたが白い部分を赤に塗装しました。

また若干下地の色が透けるので黄色の部分も上塗りしました。

これで形の上では完成となります。

  重心合わせ 2024/08/15
さて、ここからが問題というか懸念事項。

ここまで好き放題にやってきて重量はいかほどか?・・・健康診断の結果を見るような気分。

重量測定の結果・・・この時点で1,857g、バッテリー込みでコレなら万歳三唱ですがまだ載せていない・・・。
当初の目標は1,800g

作製前の計画でこのスペック表にある飛行重量 1.35Kg~1.52Kgを見て1,800gを想定したのですが実際には実現が難しいカタログスペック値だったようです。
実際に飛ばされている方の情報を見聞きするにおおよそ1.7Kg~1.8Kg、これにはバッテリーはもちろん重心補正のバラストを含んでだと思います。
ノーマルですらこの重量で私のはまだバッテリーもバラストも積んでいない・・・。
ただ、バッテリーを含め飛行に必要なモーター・ESC・主脚ユニット・各サーボ・フラップ用アクチュエーター等々が揃った時点で重量の合計はすでに1,800gを越えていたので当然の結果となります。さらにに主翼のバルサプランクにライト類追加に尾脚開閉、バラスト替りのダミーエンジンと欲の思うままに・・・それを考えれば1,857gは想定内とも思えます。
悪あがき・・・。

横から見た画像です。少しでもバラスト量を減らすべくバッテリー搭載位置を最大限前方に移動。
差し込んだバッテリーはスペースの関係上、上下左右には振れないので上部のコードを抑えて固定します。
再び重量測定・・・。

バッテリー混みだと2,133gナリ! これで重心ピッタリだといいけどそううまくもいくまい。

この時点ではバラスト量は150~200gは必要と覚悟していました。
説明書で重心位置は主翼前縁から75mm。

たまに説明書の表記が全くアテにならない場合がありますがこのモデルは合っているの?
とりあえず指示通り75mmの位置をマーキング。
こんなに後ろなの?

零戦と違ってやや首の長い機体は重心位置が後方にあるように見えて仕方がない。所有しているBf109ではその感覚が抜けず前重心がキツくて苦労しました。
今まで曖昧にコレくらいって感じで合わせていましたが今回から文明の利器である重心測定器を使ってみます。

ホビーショップ青空 さんで購入しました。
基準の重心位置にメモリを合わせてみます。
70の数字が隠れてしまってますがこれで75mmの位置を指しています。
載せてみました。
ちょっと後ろが下がる・・・想像より惨くはない・・・。。
意外に範囲に近い? おおよそ78mmかな!もっとズレているものだと思っていました。

何か騙されていない? 間違っていない?
一番前方となるエンジンカウルにバラストを追加しました。
15gの塊が5個で75gナリ! 一発で決めたわけではなく大きく加えて徐々に減らして落ち着きました。
改めて測定・・・。
定規を逃がして天秤のようにブランブランさせても水平に戻ります。
ただいまの記録~!70mm

説明書では75mmでしたが70mmにしました。

おのれは文明の利器を信用せず曖昧な感覚を信じるのか!!!と思われそうですがもし重心が後方だった場合が怖い。

こんなに色々やった機体なので何か違うかもしれない。もし前重心だったとしても後ろ重心よりは遙かにマシ。

前重とわかったらバラスト下ろせばいいだけ。
最終的に全備重量は2,208gとなりました。

これくらいの重量になると考えようによってはフラップがきちんと働きさえすれば単なるロマン装備ではなく効果を持った意味ある機能になるのでは!と前向きに考えるようにします。

工場出荷 2024/08/15
ハイペリオン Ki84

最終チェックを終え作業完了です。

諸元
翼幅:1,140mm 全長:970mm 機体重量:1,932g 全備重量:2,208g
翼面積:21.8d㎡ 翼面荷重:101.28g/d㎡
モーター:KD 30-25XL 830KV アウターローターブラシレス ESC:Freewing 60A コントローラー
バッテリー:VANT50C Li-po 4S 14.8V 3300mAh 50C-100C 最大電流:62.10A 最大電力:920Wp
大戦機にはFLTのためにディフォルメが入っておりますがこの機体の場合は主翼を2cmほど下げているようです。

ヘタに機首を伸ばさずに違和感なくまとまっており上手い処理だと思いました。

まぁ、零戦に比べて私のチェックが甘いので目の肥えた疾風警察の方なら他に何か気になるかも。
操縦席が零戦に比べてずっと後方にある事、垂直尾翼が水平尾翼から後方に離れているのも特徴的。何より主翼前縁が一直線な事が中島飛行機の伝統的なフォルムで良いですね。
スピナーがアルミなので加工は厳しいかと思いましたがやれば何とかなるものですね。

このスピナーは大きさと形状がドンピシャだったので何としても使いたかった。

欲を言えば先端にあるエンジン始動のアレ(切り欠きのある突起みたいなもの)があったらな~と・・・。
ハ45発動機

ダミーエンジンもこう納まってしまえばそれなりに雰囲気を出してくれます。
推力式排気管
今回はカウルフラップの開閉をしようとは思いませんでした。

疾風はあまりカウルフラップを開いているイメージがないし展開自体は今まで何度かやったのでいいかなぁって。
ガラス繊維の相手も嫌になった。
バッテリーハッチ

作製時にリューターの刃を当てるまでは悩みに悩みました。一旦始まったら覚悟を決めて実行。
風防のガラス面が黄色スモークなのは最初気になりましたが見慣れてしまえばまぁいいか!って感じです。
機体が重くなってしまったので主脚の弦巻バネには大いに期待します。
展開時
収納時

主脚は取り付け角度と車輪収納部の間隔が実機と違いますが気になっているのは今だけでその内に忘れるでしょう。
尾輪引き込み
展開時
展開時

フラップに次いで構想がまとまらず試行錯誤しましたが何とか満足のできとなりました。

あとは実戦での耐久性が気になるところです。
蝶型フラップ
収納時
半開時
全開時
フラップ開閉リンケージ

終わってみてやはり一番しんどかった作業です。

できあいの品物に組み込む事のまぁなんと難しい事!完全自作の方がよほど楽だと思いました。

もっと練り込めば動作のスムーズさと展開の安定を増す事ができると思いますが・・・できる人はできると思いますが私にはこれが限界です。
編隊灯 翼端 右は緑色
編隊灯 翼端 左は赤色
編隊灯 尾灯は実機は白・・・なのかな?
着陸灯

編隊灯を付けたなら着陸灯も点灯させないと不自然になるなぁと思い装着した次第です。
ここの加工はあまり頭を使わなくて楽しかったです。
排気煙をエアブラシするのを忘れていました。さささ~っと施しました。
これにて作業完了!
さて毎度の事、思うように楽しく作っていたらまたもや重めになってしまった。
まぁ、私の所有する機体が同一機の他ユーザー様のものより300gも400gも重いのはよくある事・・・。
念願叶って手に入れたのだからやってみたかった事を思う存分試した!その結果の重量なので無駄は一切ない!
と、納得しております。

これで飛べば所有感の塊となり、飛ばねば教訓と思って頑張ります。
今回の主な資料

大日本絵画 エアロディティール 24 中島 四式戦闘機 疾風

潮書房光人社 決戦戦闘機 疾風 陸軍四式戦 キ84のすべて

光栄 ミリタリーコレクション6 日本陸軍戦闘機

文林堂 世界の傑作戦闘機No.19 陸軍4式戦闘機「疾風」

文林堂 世界の傑作戦闘機スペシャルエディションvol.8 写真史「飛行第四十七戦隊」

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