ALFA MODEL
MiG-15 作製記


めぐり合い 2017/11/05

今や懐かしい存在となったアルファモデルのMiG-15です。
クラブの飛行場において何気に発した「最近のEDF機は凄いね!いつかまたやりたいな!」
といった会話から始って、いつもお世話になっているGdrunkerさんより「ちゃんと作って飛ばしてくれるなら」と期待を受けて有り難く頂戴致しました。


キット紹介 2017/11/05

まずはキットの状態確認。
箱を開けた瞬間に懐かしい香り・・・当時はチェコの空気の香り!と思っていましたが12年経ち開梱されている状況からみて箱の材質の香りだとわかりました。

胴体側面
まだ黎明期だった頃のジェット戦闘機。
非常にシンプルな造形で現用機よりも大戦機に近い雰囲気を感じます。
胴体下面
大きな開口部、内部はシンプルな筒、外装も空気抵抗が少なく、当時まだ非力だったEDFユニットであってもスケール機的なFLTを可能にしていたのかも!

ところで・・・機首にある膨らみは何を表わしているのかな?
機銃かしら・・・今までの守備範囲外なのでサッパリわかっていません。
胴体上面
キャノピーを外すとメカ積みの板が・・・と思っていましたが・・・。
アレ!?想像していたのと違う・・・。
胴体内部
手にとって見るまでは胴体内は単なる筒だと思っていましたが実際は吸気口が別体でEDFユニットまで続いております。
メカにバッテリー搭載はどうしたらよいのだろうか?
キャノピー裏面
あぁ、見て思い出しました・・・懐かしい・・・。
キャノピー裏面の前後にアイスの棒があり、これを機体に差し込んでセットします。
機首部
吸気口は別体なので内部はスムーズ。
吸気効率がとても良さそう。
実機だと内部に縦のスリットがあり特徴的なんですけどね・・・まぁ、諸々ハードルが上がるのでなかった事にします。
胴体後部
中にEDFユニットが見えております。
余計な造形ナシな筒です。
水平および垂直尾翼
ここは戴いた時点ですでに前オーナーさんにおいて水平尾翼が接着されておりました。
中にカーボンのスパーが入っているはずです。
分割構造
胴体の中央部は捻ると胴体を前後に分割する事ができます。
アルファモデル純正
ALFA EDF 60/15
改めてみると3枚羽なんですね!
最近は多枚数化し音質がだいぶ実機っぽく感じられますが当時この機体のFLTではまるでサイレンのような音に感じました。
EDF後部
テールコーンが装着されております。
分割した箇所
胴体前部、前から見ても後ろから見ても筒です。
分割した箇所
胴体後部、後部も筒状のテールパイプは別体なんですね。
上に付いているサーボはエレベーターを操舵するものでこれも前オーナーさんにより接着済みとなっていました。
胴体一式
フライングスタイロとは違いアルファモデルは完成後でも内部メカのメンテができそうです。
主翼パーツ一式
大戦機から現用機への過渡期的なデザインがいかにもって感じです。
左右主翼にフィレット、整流板がメインのパーツです。
あとは多分補強材のカーボンパイプに何やら曲がった太めのピアノ線があります。こういう部材がパラパラっと入っているのを見ると当時のARFだなぁっと思います。
主翼裏面
アルファモデルは各動翼はリンケージ済み。
ピアノ線を動翼に対して前後に動かし操舵力を伝えます。
何かしらに使う木材にパイロットフィギュア。
あと水転写シールです。
アルファモデルの転写シールはフィルムが硬く薄く難しい部類だったように思う。
ナンバー384と赤い星はすでに胴体に貼ってありました。
組立図解
中央に集約していくような図面・・・これを解釈しながらの組み立てとなるのですが参考程度で実際は現物合わせとなるでしょうか!
とりあえず一つの基準ではあります。
図解左上
E1はバッテリー、受信機、エルロンサーボの位置関係だと思うのです。
受信機とサーボは当該個所に合わせる事ができますがバッテリーはどう考えてもこの位置では無理だなぁ。
当時この条件にあったものがあったのかも知れませんが現状見当たりません。
まぁ、この辺の指示はフライングスタイロも無理難題でした。

E2はエルロンサーボの搭載条件のようです。
図解右
F2はエレベータサーボの搭載位置のようです。
これはすでに装備済みです。

F3は舵角の指示ですね。
組立図解とは別に英文の組立解説書があります。
解説書の方は英文です。
私は英語さっぱりなのでもっぱら図解で考えながらの作製となります。

作製計画 2017/11/05  
当時の幾多のEDF機にあってスケール感とFLT性能が両立できていた数少ないモデルのひとつ。
TOSが所有していた際に私もF-86を購入し応戦しようかと思ったものの軍事費が追い付かず断念。ひとつの頂点であり一時代を築いたアルファモデル・・・とても厳かな高級品です。
とにかく今回は幸いにしてMiG-15に関して私は全くの無知、なのでいつものよういアレコレとディティールが気になり追加に改悪・・・はなくノーマルで作製します。

それ以前にARFとは言え現在の中華製メカ済みRTFやARFとは段違いに製作が難しい・・・果たして今の私にこの機体を仕上げる事はできるだろうか?

EDFユニット 2017/11/11

まずはEDFユニットからです。
後部のコーンを取り外すとモーターがセットされておりました。

モーターはMP Jet製 AC25/25-26 Mk2 Kv値4,100
本来はモーターは別売りなのですが含まれていて有り難いです。
今、このダクトに合うモーターはなかなか見つかりません。

モーターに配線しました。
電流値がわからなかったので配線は少し太めです。
結果的にもっと細くてよかったかも!

ダクトにあるネジ穴とモーターのネジ穴のピッチが全く合わないので接着剤で固定しました。
テールコーンが二種・・・どちらか選択式のようです。
どちらが良いのかな?
配線の取り回しを考えてこちらを使用します。
三つの穴は配線を通すためではないかな!
三つ穴の箇所は元はおそらく整流板形状になっていたのでは・・・まぁそのままだったとしても配線の太さからみても切除の必要がありますね。
テールコーンを通して配線を出しました。
根元にグラステープを巻いて広がらないようにまとめます。
EDFユニットを胴体にネジ3本で固定しました。
EDFユニットにテールパイプをグラステープ留めしました。

主翼 2017/11/11〜12

さて、このモデルの難関箇所の主翼取り付けです。
主翼からの空中分解を目撃してますし、当時その脆弱性は他サイトでも話題になっておりました。

まずは何に使うかイマイチわからなかったピアノ線。
どうやら主翼前部の連結と剛性確保のようです。
グラステープで仮止め。
カーボンパイプ
これを半分にカットし左右主翼に差し込みます。
カーボンパイプを主翼に差し込み。
これを突き当たるまで差し込むのですがなかなか入っていかず。
細めのアルミパイプを先に抜き差し繰り返しながらカーボンパイプを徐々に入れていきました。
中翼構造で中心部にダクトパイプがあるため左右連結できない。
とにかくココでの処理が重要です。

主翼断面に接着剤を塗布。
使用した接着剤は瞬間接着剤やエポキシは意外にあっさりと剥がれる事があるため今回は乾燥後も粘りのあるコニシ 強力接着剤 SU ソフトを使用しました。先ほどのカーボンパイプも同様に使用しています。
今まで経験のない下反角のついた主翼。
航空軍事用語辞典によりますと・・・
固定翼機を正面から見て、主翼が胴体から先端に掛けて反り下がる角度。ロール軸の姿勢変化が有った場合、揚力の方向の変化から横滑りが発生する。
この横滑り時に傾きを増大させ、バンク角を更に深めようとさせる働きがある。安定を損なうため通常は用いられないが、高速の軍用機において後退翼の水平飛行に戻ろうとする力を相殺するために下反角が付けられる場合が多い。

慣れ親しんだ上反角機より反応がナーバスなんでしょうか・・・ドキドキ。
とりあえず今は左右主翼に捻じれなく機軸に対し正確に対称にしっかりと接着です。
エルロンサーボはWAYPOINTのW-068PBを使用します。
さて現状主翼は前部はカーボンパイプにピアノ線で左右連結となり、それなりの強度はあります。
中間から後部にかけては何もなく、使用した接着剤の力にたよるのみ・・・しかも前部の剛性にしてもパイプ状の細いものなので捩じり方向に関しては効果が乏しいのでは!と思いました。

そこでキットに入っていたバルサ材。これを後部に挿入接着し多少なり強度を上げたいと思います。
胴体側面に何かに利用する穴があったので差し込みます。
ダクトの筒の位置関係上、直線での配置はできません。
板材を差し込みました。
ついでに遊び回るリンケージパイプを固定しました。
左右の板材を差し込み中央で仮連結します。

メカ搭載 2017/11/11〜12

胴体後部から出るサーボ配線が短いため延長しました。
このサーボはWAYPOINTの068系かな?
奥に伸びるエレベーターリンケージ、これも遊び回るのでエポキシで固定しました。
ESCはMAYTEC ESC 30A を使用します。
ここからは現物合わせになっていきます。
主翼のピアノ線の前後等間隔に板材を接着しました。
後にバッテリートレイを取り付けます。
仮固定だった主翼ピアノ線の上からカーボン板を乗せエポキシで接着。
バッテリー固定用のベルクロも同時に接着しました。
カーボン板で作ったバッテリートレイをエポキシで接着しました。
この時に仮固定だった後部補強材もエポキシで固めてあります。
受信機はCorona R4SF 4chを使用します。
胴体内部右側面に両面テープで固定。
ESCは内部左側面に両面テープで固定しました。
エルロンサーボは上下挟み込んで接着剤で固定しました。

キャノピー 2017/11/12
吸気ダクトがある関係上やや高めの位置となったバッテリートレイ。
取り付けの時点でこのまま行けるだろうか?と不安でした。
側面から見ると上部にはみ出してきます。
試しにキャノピーをかぶせても浮いてしまいます。

当時このモデルには3S2,000mAhの搭載が主流だったようですが現在は1,800mAhか2,200mAhのどちらかしかなく、しかも平べったい形状のものは見つかりません。今あるもので何とかしなければ!
とりあえずキャノピーの作製に取り掛かります。
パイロットは後乗せ仕様です。
アルファモデル付属のパイロットです。
何となくコミカルな雰囲気があります。
さて、この当時のジェット戦闘機のパイロットはどんな装備だったのだろうか?
1950年代・・・大戦時に近い?現代に近い?
いつか何かに使おうとストックしていたパイロット。
おそらくソヴィエトではなくUSAで現代の物だと思いますが細かい事はわからないため今回はコレを利用します。
キャノピーとバッテリーが干渉する箇所のスチレンをカットしました。
キャノピーの高さに合わせてパイロットをカットしました。
キャノピーの裏面からパイロットを接着しました。
まぁまぁ違和感なく収まったように思います。
キャノピー後部の固定はアイスの棒はやめてネオジムマグネット留めとしました。
ブレ留めとして左右と後方にバルサ板を追加。
胴体開口後部にもネオジムマグネットを埋め込み接着。
キャノピー後部のネオジムマグネットをです。

ディティール 2017/11/12〜15 
細かなディティールパーツです。
と言ってもアルファモデルの場合はフライングスタイロに比べてアッサリしたものしかありません。
画像は主翼のフィレットと境界層分離板です。
フィレットを主翼に通し瞬間接着剤で固定しました。
主翼にあるモールドに合わせて境界層分離板を突き刺し、瞬間接着剤で固定しました。
形の上では完成です。
この姿に持ち込めただけでもニコニコしてしまいます。
続いてマーキングです。
胴体の赤い星とナンバーはすでに貼られているので主翼の赤い星と垂直尾翼の赤い稲妻を貼り付けます。
諸般の事情で赤い星がひとつ不足しています。
アルファモデルの転写シールは固く脆い・・・しかも経年劣化もありかなり厳しいと予想していました。
主翼上面の赤い星は何とかなりました。
ただ、水分をつけ台紙からの分離中はかなりヒヤヒヤした状況。
次に大きい赤い稲妻・・・やはりダメでした。
水につけて待っているとシール素材と台紙で水分吸収の差が出て無理がかかったようで表面がパラパラと剥がれてしまいました。
赤い星よりも面積が大きい分無理がかかったようです。
とりあえず主翼下面の赤い星も一個足りないので稲妻と合わせて転写シールを自作しました。
主翼下面の赤い星
色味はもう少し明るくてよかったかも!
まぁ、プリンターでは特色の赤は印刷できないので妥協は必要か。
垂直尾翼の稲妻
やや大きいため貼り付けの位置合わせに苦労しましたが何とかできました。

ロールアウト 2017/11/15  
 
 
これにて作製作業終了!
全長:740mm 全幅:750mm 機体重量:381g 全備重量:558g 翼面積:12.8du 翼面荷重:43.59g/du
ESC:MAYTEC ESC 30A バッテリー:HYPERION G5 SV 2200mAh 3s1p 11.1V Li-Po(70C)
モーター:MP Jet AC 25/25-26 Mk.2 4,100kv + ALFA EDF 60/15 出力:11.01A 124.70Wp
チャンネル:スピードコントロール・エルロン・ラダー

いよいよ初FLTを待つのみとなりました。
 

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