MAS工房
三菱 局地戦闘機 雷電二一型 20503號 作製備忘録 壱

2020/06/31
作製作業から本章の編集まで時間が経ってますので当時を思い出しながらまとめています。
あまり参考になる事もありませんが私自身への備忘録として残しておきます。
基本的に191147號(1号機)と作製工程は同一なので繰り返しになる要素は大幅に割愛しております。。
また、191147號(1号機)同様に色々な作業を同時並行で進めていたので各項目によって時系列が前後しているものがあります。

検証2019/11/25〜29
試験飛行にて残念な結果を迎えた雷電二一型 191147號・・・。
もし無事に着陸し帰還となったとしても飛行中の状態を思えばこれから先、色々と考慮する事態になったでしょう。
残骸を解体しながら当時を思い出し問題点を検証していきます。
まずは一番に重量過多、このサイズで翼面荷重106.73g/duは重過ぎる。飛びはしましたが高度の維持にはとにかく速度が必要で莫大なエネルギーを使いました。
着陸工程まで行けませんでしたが機速を落とした時にどのよう状態なっていた事やら?

そして横転性能が悪い事、戦闘機動ができない。
墜落時に主翼はほぼ無傷でしたが皮肉なもので再設計し新たに作らなければダメだと思いました。
重量に関してはサイズに対してリブを主として骨組みが無駄に多い、補強が過剰、木工用ボンド多用があります。
燃料切れの一因となった主脚開閉。
工作精度の甘さが肝心なところで出てしまいました。
動作するものは全て確実でなければなりません。
作製中に気をつけていましたがまだ精度レベルが足りてないようです。
尾翼周りは着陸時の前転を意識して過剰に補強していました。
重心から遠い個所を重くしたことで負のスパイラルです。
墜落後は遠慮なく破砕テストができたので様々なデータを取り想像以上に過剰と判明。手で折ろうともビクともしませんでした。

雷電二一型 191147號がこの結果に終わり正直燃えつき症候群でしばらく手は動かないと思っていましたが検証と反省を繰り返している内に次の機体を起こそうと考えが変わっていました。

それに拝借している部屋がいつまでも使えるわけではありません。
ここで間を置いたらもう作製できないかも・・・善は急げ!です。

図面修正 2019/12/01/〜12/20
まずは主翼です。
軽量化のため材質変更・リブ削減。
翼面荷重軽減のため主翼を片翼20mm延長し拡大。
横転性能向上のためまずは補助翼の拡大。
これまた横転性能向上のためですが上反角を7°から5.46°に変更。
安定性が犠牲になると思いますが見合った分の戦闘機動ができないと戦闘機ではありません。
あと、優先順位は後方ですが速度向上のため空気抵抗を減らすべく翼厚を薄くします。
次は胴体。
重心位置の適正化を図るため操縦席後方から尾灯までを20mm短縮。重量軽減のため骨組みの材質変更と胴枠削減。
ファウラーフラップ構造変更。
191147號の作製も佳境に入っていた時期に使えそうな品物があったので確保しておりました。
それを利用し機能と確実性のアップ!うまく行けば軽量化になるかもしれません。

作製計画
先の失敗を糧にもう一度!
基本ベースはできているので改修個所を念頭に洗練させながら作製していきたいと思います。
やりたい事を形にまとめながら目標の機体重量は1,800gです。

ファウラーフラップ試作 2019/12/21〜30

主翼部材の切り出し。
今回あらかた図面がまとまっているのでそんなに作り直しはないだろうと思い全て切り出しました。
前回ほぼ航空ベニヤでしたが今回は2/3ほどバルサとなっております。
航空ベニヤは強度を必要とするダウエルと主脚とフラップ周りです。
部材は全て切り出しましたがそれでも気になるフラップ周り。
まずは主翼の仮組状態で試作と確認をしていきます。
構造は191147號を踏襲ですがフラップレールのカーボンは2mm厚から1mm厚に変更。
レールを通るピアノ線は1.6φから1.2φに変更しました。
191147號が完成近くなってきた時に仕事上で必要な部材をネットで探していた時に偶然目に止まったものです。

Acyuonix PQ12 リニアアクチュエーター
ロボショップというところで取り扱っておりました。

左の画像をクリックするとショップに行きます。
工業大学でよくあるロボットコンテストなんかで使用されるパーツなんでしょうか?
プロポの操作で左の部分が伸縮します。
コネクターも受信機にそのまま刺して使えます。
まずはフラップのリンケージ作製。
2mmピアノ線にダイスでネジ加工していきます。
位置関係が不明なため図面に合わせてアクチュエーターにピアノ線を通し曲げ加工をしてからダイスの加工を行っておりました。
ネジ加工の個所にアジャスターを取り付けました。
図面に合わせて位置関係を確認。
フラップ用のリブを位置決め接着していきます。
機構以外のフラップの製法自体は前回と同様です。
フラップのパーツを組み合わせました。
伸縮した画像や動画を撮ったはずなのですがどこにも見当たらず・・・お見せできなくてとても残念に思います。。
ピアノ線を通してある部分が20mm伸びてフラップ展開します。
前回は不安定だった動作末端の動きもしっかり、妥協していたストロークと角度も確保できました。

主翼作製 2019/12/30〜01/23
ファウラーフラップに目処がついたところで主翼作製に入ります。
主桁は4mmバルサ、短い2枚は1mm航空ベニヤです。
今回はあらかじめ肉抜き穴と主脚やサーボをはめ込む溝を彫ってあります。
主桁の部品を合わせ瞬間接着剤で固定。
今回は主に瞬間接着剤を使用していきます。
一部に設計変更がありましたがほぼ先に切り出した主翼の部材です。
主桁に中央・第2リブ、ダウエル、後部固定部を接着しました。
フラップ外側のリブと副桁を接着しました。
副桁も肉抜き穴を加工済み。
フラップユニット。
左右のリブは航空ベニヤです。
以前に比べ構造はシンプルに且つ動作は確実となりました。
ただ、重量にはあまり変化がありませんでした。
主翼にフラップユニットを取り付けました。
主脚と補助翼用サーボトレイの板。
これは航空ベニヤです。
各々のトレイをはめ込み接着しました。
補助翼取り付け部とリブを接着しました。
主翼前縁にバルサ材を接着しました。
翼端、今回はバルサ積層からの削り出しはやめました。
後から塗装は難しいのでフラップをあらかじめ塗装しておきました。
主翼にフラップを取り付け。
主翼の全景が見えてきました。
これから各部の精度出し。
まずは前縁と翼端を鉋とヤスリとペーパーをフル動員して整えました。
胴体との後部固定部にネジが通る穴を取り付けました。
前回は苦労したホイールハウスを加工します。
2mmバルサを複数カットし準備。
お湯に浸して柔らかくします。
適当な円筒にゴムで固定しクセをつけます。
クセがついたら天日でしっかり乾燥させ水分をなくしました。
2枚をズラして重ね合わせ接着し半円状に成形したものをホイールハウスとして内部に合わせ込み接着しました。
はみ出していた個所をカットとサンディングで形を整えました。
主脚を固定する周囲をバルサで固めました。
主脚を合わせてみていい感じ♪
主脚上面も補強板を追加しました。
今回は主翼を薄くした分、上面はギリギリで納まっています。
主翼上下面に補強用の2mmバルサ角柱を縦通材として接着。
主脚カバーです。
今回は0.5mmアルミ板を使用します。
主脚が下面に移動しているのでFMS零戦1,100mmのカバーは流用できません。
0.5mmアルミ材を曲げ加工して作りました。
主脚カバーを脚柱に接着しました。
内側カバーは前回同様ヒンジを使用します。
開閉のリンケージは前回の片持ち両持ちにしました。
この点、合わせてからの作り直しは大幅に増えてしまいました。
長さと角度のバランスがなかなか難しい。
作り直しのかいあって動作は安定したようです。
補助翼は中央0.5mmカーボンを6mmバルサで挟み込んで成形します。
中央カーボンはヒンジやリンケージを取り付ける個所をカットしてあります。
補助翼の下書き。
ここら辺からの作業は今までと変わりません。
補助翼ができました。
重量は前回の2/3程です。
サーボトレイにサーボを仮固定しリンケージの具合を確認。

 尾翼作製 2020/01/24〜02/08
尾翼部品一式です。
組み上げました。
リブ削減にバルサ主体、前縁と中央基部のみ航空ベニヤです。
主翼同様、鉋とヤスリとペーパーを振る動員して整えました。
昇降舵、補助翼作製と同じ工程です。
羽布張りを再現中、薄いバルサで無理するとすぐパキっと割れてしまいます。
昇降舵できあがり!
昇降舵連結のピアノ線は2mmです。
昇降舵を取り付けてみました。
次は方向舵。
垂直尾翼いっちょ上がり!
水平と垂直を組み合わせて尾翼完成。
と言っても動翼は全て仮止めです。

胴体作製 2020/01/24〜03/06  
胴体作製に入ります。
胴枠削減、前回は個所により4mmと3mmの航空ベニヤを使用していましたが今回は全て2mmです。
操縦席後方からは2mmバルサ、胴枠自体も細くなっております。
胴枠固定後に左右合わせ中。
この中で航空ベニヤは主翼を固定する前から4番目と5番目の胴枠のみです。
機首部に胴枠を追加。
ここも主翼取り付け強度確保のため2mm航空ベニヤです。
操縦席後方に2mmバルサを追加。
無線機があるところです。
機首絞り込みのパーツです。
ここら辺は前回同様の雰囲気です。
尾輪ユニットは191147號より移植。
胴体後部のパーツです。
バルサでも可能な限り肉抜き穴加工・・・いったいどれ程重量軽減に役立つのか?
それでも積もり積もってなんだろうなぁ。
胴体に尾翼を接着固定しました。
胴体側面に縦通材として2mmバルサ角柱を接着しました。
胴枠に取り付けた縦通材は後ろで集約しています。
縦通材と尾部のラインを整形しました。
整備用ハッチが合わさる胴体前方 開口部に三角柱を接着しました。
航空ベニヤとバルサでハッチを作製。
作りは191147號と同じです。
開口部にハッチを合わせてみました。
フィレット下面にバルサを接着しました。
フィレット上面の流れに合わせて整形していきます。
フィレット後部も同じように整形していきます。
フィレット前方はバルサ積層からの削り出しです。
表面は削りやすいのですが主翼と合わせる個所は様子見ながらちょこちょこ削りました。
モーターマウント兼バッテリートレイは191147號とほぼ同一です。
モーターマウントを胴体前部に接着しました。
胴体に機器トレイを取り付けました。
今回は受信機等を定位置に収められるでしょうか?
ハッチ固定用の穴を胴枠に開けました。
ハッチ側にはラッチを取り付けました。
今回は塗装しなくて良い黒色です。
昇降舵・方向舵・尾輪引込用のサーボを取り付けました。

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