三菱 局地戦闘機 雷電二一型 1254號 作製記

思いつき
2012/01/14
快晴で雪景色だった日。
この日は久しぶりに雷電をFLTさせてみたいと思ったので零戦と共に抱えて行きました。
零戦をFLTさせて、次は雷電をっと思いバッテリーを搭載し各舵をチェック・・・!?のところでエレベータが動作しない事に気がつきました。
現地で修理しようにもメカへのアクセスを考慮していない作りのため切開が必要・・・家でやらないとダメだって事で雷電は結局FLTできませんでした。
この時は雷電二一型 81101號を退役させてしまうとは思っていませんでした。

作製計画
当初、新規に作製するつもりはありませんでした。
とりあえずは機器アクセスのため切開して不良サーボの交換、ついでにある程度は手直しをしようかな!程度に考えて作業に入ったのですが・・・やっている間に収拾がつかなくなり結局作り直すハメになりました。
作製方法は紫電改での要領をそのまま踏襲しております。

雷電二一型 81101號2012/01/18
約3年前、初めてまともに飛んだ自作機なわけですが・・・
自分なりによくたどり着けたもんだと思いつつ、各部のヤレや妥協などなど今となればもうちょっと何とかしたいような気にもなります。
紫電改の作製を経て、また色々とノウハウを得た事だしリニューアルさせてみようかと思ったり、ただそれはそれでまた大量の労力が必要だし、次もまた上手くいくとは限らない。
外皮のスチレンが多角形に折れ目が入ってきました。
当時は形にするのが精一杯、ハッチはバッテリー搭載の事しか考えていませんでした。
操縦席前に機器が積んであったのですがこのハッチからは全然手が入りません。
窓枠をスチレンで再現した風防。今となればかなりゴツイ窓枠です。
インクジェットプリンター用のシールで再現したマーキング。
水転写シールのように形状になじんでくれない、色彩も退色してきました。
一番何とかしたいのが主翼、主翼前縁がガタガタになってしまってる。
エルロンの制御を2サーボ化したので主翼下面にある日の丸からサーボホーンが出ているのがどうも気になって気になって。

っとココまで見てアレコレと考えている内にとにかく主翼は1サーボ化で新規に作製し胴体は骨格はそのままで外皮を貼り直そう!っと思った次第です。

主翼作製2012/01/21〜02/04
主桁等の骨格は以前のデータからそのまま使用し形を起こしました。
リブ形状も以前のデーターのままです。
主翼中央部が層流翼で翼端に行くに従ってクラークYのようになっていきます。
捻じり下げは2度。
主翼骨格を組み上げました。
エレベーターリンケージ
以前はピアノ線が細くフラッターに悩まされ2サーボとなったわけですが今回は紫電改と同様1.8mmピアノ線です。
エルロンは紫電改の時は積層バルサから全て削り出しでしたが今回はコアを2mmバルサでその両面を4mmスチレンでサンドイッチし、そこから削りだしています。
羽布張り
紫電改では重量を気にしてアルミテープではなく習字紙に変更したのですが結局さしたる軽減にはならなかったので今回はそのままアルミテープにしました。
主翼完成。これで後は胴体外皮を一旦剥がしてサラサラっと貼り直したら完了っと思っておりました。

誤算2012/02/05 
胴体外皮を剥がしている最中・・・。
当時、胴枠はベニヤではなく3mmバルサを使用していました。
接着剤を大量にしみ込んで固く脆くなっており外皮を剥がす際にパラパラと欠損する個所が多数・・・。
しばし考慮しているうちに作り直した方がスッキリするな!っと思い至りました。
手直しのつもりがこの時点で雷電新規作製へと方向転換です。
それにより「さようなら雷電81109號」「今までありがとう」となってしまいました。

尾翼作製2012/02/05〜02/19
胴体が新規作製となれば尾翼も巻き添えで新規作製です。
主翼は前回データのままでしたが尾翼は骨格から設計しなおしました。
実機形状から110%に拡大、胴体後部も10mm延長し過敏な動きを少しでも抑えられたらなっと思います。
尾翼の骨格は紫電改と同様の構成です。
垂直尾翼の骨格も110%拡大。
水平・垂直尾翼をスチレン外皮を巻きました。
水平・垂直尾翼の組み立て。
三菱機は尾翼周りが紫電改に比べてやや複雑。
試行錯誤しながら作業しています。
エレベーターもバルサをコアにしてスチレンでサンドイッチ。
それから削り出しです。
アルミテープを貼ってエレベータできあがり。
ラダーも同様の作製です。
雷電は自分の中でとにかく飛べさえすれば良く、4ch化してもまったく活かす事はできないのでラダーは固定の3ch仕様です。

胴体作製2012/02/20〜04/10
本来、まったくやるつもりのなかった胴体。
この際、新設計です。
縦通材の削減・胴枠の形状変更・胴体尾翼前部を10mm延長。
今回はバッテリー搭載と機器アクセスのハッチを兼用とするため開口部が大きくなってしまいました。
ハッチの作製です。
上記骨格に1mmバルサを積層していきます。
ヤスリをかけ形を整えました。
機首部をバルサでプランク。
操縦席周りもプランク。
搭乗員を仮乗せしバランス確認。
この時点で尾翼を接着。
尾翼下部は胴枠ナシですが外皮を貼ったらカッチリとするはず。
胴体前部をプランクし、エンジンカウルや排気管を納める凹凸を削りました。
発動機はAXI2212/20 GoldLine。
機器を積み込みました。
今回はハッチが大きいのでいつものバッテリー搭載の斜め板が装備できません。
主翼を接着。
だんだんと形になってきました。

応力外皮2012/04/11〜04/29
外皮を直接ペーパーに出力し、カットして貼って行きます。
尾翼下面
三菱機は紫電改と違い、丸みを帯びたデザインのため馴染ませるのにひと苦労。
胴体後部は比較的平面なのでサクサクと貼れました。
いつも悩みどころのフィレット。
今回は1mmバルサを水に浸し、カールをかけた状態で乾燥し利用します。
接着してみた感じは、まずまずってとこかな。
形状を合わせるまでは山のように型紙を作っては合わせをしてました。
フィレットが中空だと手投げの際にバキっとなるのでバルサを詰めました。
主翼下面の外皮貼りつけ。
フィレット表面のバルサの目を消すためペーパーを貼りました。
胴体の操縦席周りとエンジンカウルには1mmスチレンを貼っていきます。
収縮チューブで作った排気管は以前のものを使いまわし。
スチレン外皮貼り完了。

ディティール2012/04/30〜05/04
真空引きで作った風防にアルミテープで窓枠を再現。
操縦席
照準器や計器盤は使いまわし。風防接着前にあらかじめ塗装しました。
風防接着。
真空引きパーツ色々
エンジンカウル前部・機銃フィレットと弾装バルジ・滑油冷却口です。
上面はタミヤスプレー AS-1 暗緑色、下面はAS-2 明灰白色。
マーキングはインクジェット用水転写シールを使用しています。
ガンプラ用墨入れマーカーでモールドを描いております。
仕上げにトップコート半光沢をかけて作業完了。

工場出荷2012/05/04 
紆余曲折を経て、ようやく完成。
バッテリーを搭載してみたところ、後ろが重くフロントカウル部に15gバラストを積みました。
機体重量633g、全備重量751g
形は81101號よりもよくはなりましたが・・・重量が予想以上に増える結果に。
空モノRCとして本末転倒に陥った可能性大。

試験飛行2012/05/13
1月に手をつけて5カ月も経ってしまいました。
いよいよ試験飛行です。
重量の割にはあっけなく普通に飛び立ったのですがピッチが安定せず、そうこうしている内に速度を失ってしまい墜落してしまいました。
右主翼大破です。胴体に関しては思ったよりダメージはありませんでした。
正直、今回の試験飛行だけでは何が悪かったのかわかりません。
考えられるとしたらまだ後ろが重いのかも?

修理2012/05/13〜06/13
主翼は片翼だけ作る事ができないためを全部新規作製。
試験飛行ではわずかな情報しか得られませんでしたが、とりあえず失速に至る過渡特性がピーキーだったので主翼の迎え角を2度から4度へ、捻じり下げを2度から3.5度に変更ます。
なので骨格から新規となりました。

あと、胴体は主翼接合部および尾翼下部の構造材を削りました。
雷電の実機は発動機から延長軸が伸びており、カウル前面からは強制冷却のファンが見えております。
雷電に関する文献を読んでおりますと「強制冷却ファンが高音の唸りをあげて・・・」などなど何かとその存在に触れておりますので今回は再現してみました。
三角柱に削ったスチレンを14本をベースに接着。
黒く塗装してから斜面にアルミテープを貼りました。
取り付けは毎度のダミーエンジンの要領で。
やや大げさな感じになってしまったかな。
まぁ、あった方がそれらしくていい感じだと思います。
修理完了。
あいかわらず後ろが重いのでカウル内に15gのバラストを積んでおります。
削った分機体は6gほど軽量化となりましたが、あまり関係ないですね

試験飛行2回目2012/06/24 
強風の中、強行試験
重量のおかげかFLT中は風に負けずFLTできました。
まだ幾分、後ろが重いような感じで安定感が足りず特殊飛行は断念し、周回飛行のみ行いました。
着陸時に風に煽られて軟着陸し、右主翼を小破。
重心がズレている分、低速時の姿勢安定が難しい。

試験飛行3回目2012/06/30 
主翼を修理並びに機首に15gバラストを追加(計30g)
この日は風は穏やかで絶好の試験日和でした。
機首に追加したバラストが多すぎたようで今回は頭が重い状態。
それでも前回までと比べれば操縦しやすく、飛行場周回から始めてロールやループなどの特殊飛行をひととおり確認する事ができました。

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