FLYING STYRO KIT改
三菱 零式艦上戦闘機二一型 作製記

思いつき2007/07/15
現時点においてフルスクラッチで雷電の作製に関わっておりますがまだ研究中のところも多く、考えれば考えるほどスキルを身につけなければ難しいように思えます。そういうわけで一度練習がてらにキットを改修して作製してみる事にしました。これでスチレンの表面処理やモールドの再現、造型について少しは知識が蓄えられるのではないかと・・・

題材に選んだのは零式艦上戦闘機二一型です。この機体にしたわけは、まず好きで思いいれがあるから!ってのはまぁ置いてといて、FSKから零式艦上戦闘機五二型が販売されているのでコレを元にやっていけば何とかなるのでは?っと甘い考えから始まっています。
二一型と五二型の違いを細かく言えば色々と出てしまうのですが大まかには「主翼の延長」と「エンジンカウル」ですね。あとは塗装の違いってとこ。まぁ、塗装に関してはどうにでもなるので要は主翼と機首さえ何とかやれば二一型のできあがり! 雰囲気さえできればそれで良しとします。  

作製計画
FSK零式艦上戦闘機52型を元にしてまずは二一型の形に少しでも近づける事。
FSK零戦五二型はラダーの追加や内装等のデコレーションに凝ってしまったので重量増加傾向に!なので今回の21型は主翼延長やカウル変更のための重量増加はやむなしとして、スピコン・エルロン・エレベーターの3chで操縦席はキットそのまま、ダミーエンジンは簡易版としてできるだけ軽くしあげて本来のヒラヒラ感を持った機体になるよう頑張ってみたいと思います。

さて、余談ですが零式艦上戦闘機は名称にあるように艦上戦闘機です。こと艦上戦闘機ってイメージで思えば五二型より二一型の方が圧倒的に強い。五二型が空母から出撃するシーンって実際マリアナ沖戦などあったはずなのですが思い浮かばずやはり基地からの出撃のイメージが強いです。
開戦当初の一時的とは言え無敵の空母機動部隊の配備は二一型、優秀な搭乗員、真珠湾に台南空など意気揚々としたイメージをこめられるように作製したいものです。

主翼作製
まず、手始めに酣燈社 精密図面を読む9 日本海軍機編 から二一型と比較用の五二型の図面をスキャン。図面の方は1/48で今回作製のスケールは1/13なので3.69倍にして原寸大とします。
画像ではわかりにくいかも知れませんが各図面を重ねて赤が21型、黒が五二型です。
二一型の方が主翼は38mm長くなります。
エルロンは長さも形状も違うので取り外しフラップの部分も余分な箇所をカットします。
図面に乗せてみると翼幅が足りなくなり延長した分間を埋めなければなりません。
当初は翼端も作製するつもりでいましたがキットのものを利用した方が軽くなりそうなので使う事にします。その場合切り離した箇所から延長された分、面の均一性が出ないのでやや潰した状態にして合わせます。
5×2のヒノキ棒を二つ重ねて接着し翼内面に接着できるよう削ります。
ヒノキ棒を前縁、中央、後端に挿入し接着。主翼翼端と繋げます。
主翼下面に大と小のバルジ(丸いふくらみ)があります。
二一型には小のバルジしかありませんのでこの箇所をきりとります。
上記の図面と重ねている画像の方がわかりやすいと思いますが、エルロンを装着する部分の翼幅が足りません。エルロン装着部分にあわせるよう2mmスチレンを切り出して主翼に接着します。
延長させて骨組みだけだった箇所に2mmスチレンを貼りその上から更に1mmスチレンを貼りました。
マイクロフィラーと木工ボンドに水を適当に混ぜたパテもどき。
パテもどきを主翼に貼ったスチレンに塗布しペーパーがけをして形を整えます。
・・・が、あまり結果はよろしくありませんでした。余計にカタカタ、バリバリな状態に・・・
とりあえず長さは良いみたいです。
以前、切り取ったバルジの箇所に裏から1mmバルサを貼り付けます。
寸法を合わせてカットした3mmスチレンを貼り付けて、その上から1mmスチレンを接着して平滑にします。
さて、エルロンの作製です。まずは図面に合わせて2mmスチレンから型を切り出します。
後で合わせるのでエルロンの絞る側を斜めに削ります。
エルロンの支持板となる2mmスチレンを接着。
支持板をエルロン形状にカットしたスチレンでサンドして後端を絞りしっかりと接着します。これで終わろうと思ったのですがFSKのキットはスジやリベットのモールドがありエルロンだけサッパリしてるのも変なので羽布張りもやってみることに。
エルロンの図面を1mmスチレンに貼り付け、カッターで切り抜いていきます。
できあがった羽布張りモールドをエルロンに接着します。このままだとモールドが深過ぎるのでペラペラになるくらい削ります。

※2007/08/03 変更
1mmスチレンを元とした場合、表面の粗さとエルロンの厚みがやや大きいのが気に入らなくなり羽布張りは上質紙から切り出して木工用ボンドでエルロンに貼り付ける方法に変えました。
ヒンジはおなじみOKヒンジ。切り込み入れて差し込んで瞬間をタラリ。
エルロン側がしっかりしてから主翼に差し込んで瞬間をタラリ。
主翼先端の足りない部分は積層したスチレンを接着しラインに沿ってカットして削って形を整えます。
まぁ、こんなもんでしょうかね。
FSKのモデルは表面にリベットなどのモールドがしっかりありますので合わせてモールドを追加します。まず、図面に合わせてペンで下書き。二一型と五二型ではリベットのパターンや位置が若干違いますがそれらを合わせるには大変なのでココは雰囲気的に合わせるだけにします。
下書きに沿って木工用ボンドをつまようじでチマチマとつけてリベット風にします。
裏面のバルジがあった箇所もそれっぽく。
ひとまず主翼の改修は完了です。

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